謎が謎を呼ぶ!? サスペンス・ミステリー漫画ランキング
2014年上半期 人気恋愛漫画ランキングTOP10
早い場所ではそろそろ梅雨が明け、夏がきていることでしょう。
夏と言えば青春の季節、恋愛真っ盛りの時期が近づいています。
しっかりとした恋をするためには予習も大切。
ということで上半期の恋愛漫画で復習して、今年は更に熱い夏にしましょう!
ランキングデータ提供:まんが王国
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1位: 失恋ショコラティエ/水城せとな
高校時代からの片思い高橋紗絵子を振り向かせたい一心で小動爽太は、フランスの有名店「パティスリー・ボネール」修行で修行をする。
そして、ついにボネール日本進出店に抜擢される若きシェフ。
そして約6年振りの紗絵子との再開に胸が高鳴る爽太だったのだが…。
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2位: L♥DK/渡辺あゆ
西森葵は一人暮らしの女子高生……のはずだった。
隣に引っ越してきた学校の王子こと久我山柊聖。
そしてハプニングにより二人は同居することに!
ラブ同居(L DK)から始まる青春ラブストーリー。
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3位: カノジョは嘘を愛しすぎてる/青木琴美
プロのサウンドクリエーターとただの女子高生。
付き合うきっかけはナンパ。
少し変わったことと言えば理子は「クリュードプレイ」の大ファンであり、秋が「クリュードプレイ」の元メンバーだったということ。
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4位: アオハライド / 咲坂伊緒
吉岡双葉は中学時代の初恋相手「田中洸」を忘れられないでいた。
そんな高校1年の終わり、双葉は運命の再会を果たす。
だが今は田中ではなく「馬渕」、更に性格も変わり、別人になっていた。
空白の3年間で彼には何があったのか……。
そして二人の恋が再び動き出す。
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5位: ダメな私に恋してください / 中原アヤ
貢ぎ癖がある柴田ミチコ(29歳)。
会社が倒産、後の就活も全てだめ。
気付けば貯金も無くなり所持金は15円に……。
15円から始まるダメなアラサー女子のラブコメディ。
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7位: 5時から9時まで / 相原実貴
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9位: となりの怪物くん / ろびこ
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10位: 俺物語!! / アルコ、 河原 和音
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スーパーゼウス、ヘッドロココ……原画を通してよみがえる収集の日々 「ビックリマン原画展」開催中
初見で「集めたい」の魔法にかけられたビックリマンのイラストの魅力を、モノクロの線画でより堪能しよう。
スーパーゼウス、ヘッドロココ、スーパーデビル……子供時代にあんなに欲しかったビックリマンシールのヘッドたち。その原画を会場で見ていると、シールで感じられたあの手描きのぬくもりが、サインペンの濃淡やホワイトの修正跡などでより強く伝わってくる。
シールのおまけ付きでおなじみ「ビックリマン」の「天使VS悪魔シリーズ」誕生30周年を記念した「ビックリマン原画展」が、8月21~8月31日に渋谷パルコパート1のギャラリーXで開催中だ。
1977年の「ビックリマン」発売以降、21代目までシリーズ交代を続けてきたビックリマンシールの中でも、1985年から90年初頭にブームを巻き起こした10代目にあたる「悪魔VS天使シール」シリーズの代表的原画が71点展示されている。
原画は同シリーズの絵を85年から以来描き続けてきたグリーンハウスの米澤稔と兵藤聡司によるモノクロ線画が51点、カラー原画が20点。原画が入った額の下には、イラストのシールの現物が表面と裏面で1枚ずつ飾られている。
シールのラインナップは、「悪魔VS天使シール」第1~31弾のヘッドシールが中心。「聖魔対戦編」(第1~12弾)のスーパーゼウスや魔肖ネロ、「次界争奪編」(第13~19弾)のアンドロココやマリア・ショウ、「マルコ激闘編」(第20~25弾)のアレキ・サンマルコやB・Z・H、「パンゲラシー編」(第26~31弾)のスサノオロ士などだ。なおヘッドシールは各弾の中でも数枚しか存在しないレア物だったため、当時の子どもたちは手に入れようと躍起になった。
ヘッドだけでなく天使、悪魔、お守りシールの原画もあり、十字架天使やプッチー・オリンなど、各アニメシリーズのヒロインといったおなじみのキャラの原画もばっちり網羅。シール収集だけでなく、テレビにもかじりついていた当時のビックリマンファンなら胸をときめかせるものばかりだろう。
線画を観察すると、ビックリマンシール独特の馴染みやすい雰囲気が色濃く感じられておもしろい。米澤は現在にいたるまで、線画を普通の文具店で売っているサインペンで描いてきた。スーパーゼウスの胸に描かれた「金」マークをよーく見ると、黒の塗りつぶしにムラがある。シャーマンカーンには、「シャーマンカーン」の文字を入れるスペースのレイアウト線が鉛筆で残っている。
こうしたビックリマンシールの手描きで生み出されていたことが感じられる箇所を見つけるたび、初見で欲しくなったあのシールの馴染みやすさの原因が分かったような気がしてくる。
筆者は1988年生まれで初期のブームは体験していない。それでも小学校6年生のとき何気なく買った14代目「ビックリマン2000」シリーズで、「大トロ」というヘッドでもなんでもない天使のイラストを見てビビッと来てしまい、一人で黙々とビックリマン2000を買い続けたのだった。高校3年生の受験シーズン、なぜか学校の友達と3人で17代目「ビックリマンひかり伝」にハマって、復刻版の「笑天師」のシールを見て「なんじゃこのキャラ」と笑いあった。
なぜあれほどビックリマンシールは魅力的だったのか。手描き感あふれる原画に触れてその理由に納得しながら、いろんな思い出がよみがえってきた。初期のブームを体感していない僕ですらこうなのだから、リアルに集めていた世代にとってはなおさら感動が大きいかもしれない。米澤の来場者へのコメントにあった「手描きならではの雰囲気やパワー。それこそがビックリマンの原点だと思っています」という一言に大きくうなずく。
ほかにもビックリマンのファンだという有名人のサインも19点展示。「ビックリマンチョコお年玉で箱買いしてました!!」のメッセージもある横浜F・マリノスの中澤佑二をはじめ、お笑い芸人の東野幸治、プロボクサーの内藤大助などのサインを見ると、ビックリマンシールは子どもたちの心を幅広く掴んでいたことがうかがえる。
特に目を引くのがイラストレーター・中村佑介によるトリビュートイラスト。ヘッドロココを中村ならではの画風で描いており、右下にはコメントをシールの裏面風に記すなど芸が細かすぎる。
原画展に際して中村はTwitterでもヘッドロココの絵についてコメントし、「この線の少なさ、太さで、かつ2頭身で、美青年を描き切るスキル、今見ても溜息ものです。今から20年以上前の作品だとはとても思えません」と敬服。1月にもビックリマンのイラストの魅力について語り、そのツイート群はtogetterにまとまっているので、予習すると原画をより一層楽しめるだろう。
また30周年を記念して、本展で飾られたものも含む500点以上の原画を収録した本「ビックリマン原画大全」(4000円)も全国で発売。これをスーパーゼウスのシール風のスリーブに収めた限定特装版(5000円)も原画展の会場限定で販売している。さまざまなビックリマングッズと合わせて買い求めたいところだ。
日本各地のビックリマンファンにとっては全国巡回を切望するであろう本展。ビックリマンへの愛は、天使と悪魔の戦いのように終わることはない。ぼくも1つお願いしていいですか? 「ビックリマン2000」展もやってくださーい(土下座)。
コミックマーケットはやっぱり凄い!来場者の実情がわかるインフォグラフィックスを制作、CCで公開!
広く一般にも認知されるようになり、多様なジャンルの作品が出展され、多くの人が集まるようになったコミックマーケット。
どのくらいの人がどこからきて、彼ら/彼女らはどういった属性を持っているのか、ドコモ・インサイトマーケティングの「モバイル空間統計」
および角川アスキー総合研究所の「メディア・ライフスタイル調査2014」 によって、分析した結果がまとめられました。
【コミケ当日の日中、都内で最も人口が集まるのは東京ビッグサイト】
昨年12月29日~31日の「コミックマーケット85」の例では、12月29日午前11時の時点で、都内で最も人口が多いのは東京ビッグサイトだった(新宿の3倍以上)。
一方で、同日でも夜になると、ビッグサイト周辺からはほとんど人がいなくなり、新宿や池袋といった繁華街に人が集中(ビッグサイトから新宿に移動しているわけではない)。それが翌日になると、再びビッグサイトに非常に多くの人が集まってくる。
【3日間のうち、初日は男女拮抗も、2日目以降男性比が増加】
同じく「コミックマーケット85」の例では、初日、12月29日の男女比はほぼ同数だったのが、30日、31日になるにつれて、女性が減少し、男性比率が非常に高くなった(全体の男女比とは異なる可能性あり)。
3日間に出展するサークルの構成、ジャンル等によって、こういった現象が起きていることが想像できる。
【コミケ女子に特徴アリ! ガラケー、ニコ動、カラオケ(アニソン)好き】
コミックマーケットに参加している20代男女を、一般の20代男女と比較・分析すると、かなり異なる部分があることがわかった。とくにコミケ女子(コミケに参加する20代女性)は、意外とガラケー率が高い、男子と同等にネット動画、とくにニコ動を鑑賞する、
ディズニーランドが嫌いなわけではないが、むしろカラオケ(アニメ主題歌を歌う)や図書館が好きなどといった傾向が見られる。
インフォグラフィックスは以下のURLからシェア、ダウンロードできます。
http://www.lab-kadokawa.com/img/comiketgraph.jpg
「最初で最後の大原画展―IKKI TO THE NEXT STAGE!!―」レポート
「才能の孵卵器」月刊IKKIの成し遂げたこと
夏休みも終わりに近づいた8月24日、秋田県横手市の増田まんが美術館で「最初で最後の大原画展―IKKI TO THE NEXT STAGE!!―」に関連し、トークイベント「IKKI史を語ろう」が開催された。原画展に関連した4度目のトーク&サイン会で、月刊IKKI編集部のメンバーのほか、マンガ家の日本橋ヨヲコ先生やオノ・ナツメ先生が登壇した。
最初で最後の大文化祭、開催
「最初で最後の大原画展―IKKI TO THE NEXT STAGE!!―」は、IKKIの休刊前に開催となった原画展。50作品900枚の原画でIKKIの創刊から現在までを振り返るもの。 会場になった「増田まんが美術館」は『釣りキチ三平』などを手がけた横手市出身のマンガ家、矢口高雄先生に関する常設展を持つ。「月刊IKKI」との縁は、2013年に「魂の道程―土田世紀回顧展」を手がけたことだ。休刊前にぜひ原画展をやりたいと美術館側から編集部に持ちかけて実現した。
入ってすぐに来場者を迎えるのは、ボツになった「雑誌名公募企画」の告知だ。雑誌名は通常、編集部内で決めることが多いもの。創刊から今まで、「編集長の一日書店店長」など様々なユニーク企画で読者を楽しませてきたIKKIだが、雑誌名まで公募しようとしていたのには驚きだ。
当時編集部では、雑誌名を公募しようとする案があったもよう。連載陣の名前が表紙に並ぶが、その後表紙を飾るようなキャラクターはまだいなかったのだろう。エッジの効いたイラストが表紙に使われている。
そもそもIKKIには、どんな作品が掲載されていたのだろうか。美術館は、創刊から最新号までの全雑誌を調べ、一覧の年表にまとめてくれた。
創刊から今まで続いているのはどの作品か、あの有名な作品はいつ始まったのか――毎月雑誌を読んでいるだけではなかなかわからない全体像がまとまっていた。同じ年に掲載されていたのはどの作品なのか、いつまで連載が続いたのかを確認するため、年表の前を何度も行ったりきたりすることになった。
年表の一番下に書かれていたのは、江上英樹編集長の「思い出ホロホロ」。創刊の感動から、黒字化の達成、そして東日本大震災の衝撃と、江上編集長がその時々で感じたことを一言でまとめてある。ちなみにIKKIが単年度黒字化を達成したのは、2006年とのこと。改めてマンガ雑誌の黒字化の難しさを実感した。
松本大洋に始まり、松本大洋で終わる
展示は基本的に、各原画に作品解説や担当編集のコメントが添えられた形で構成されていた。入り口から順番にみていくと、創刊時から最新の挑戦的作品までを振り返る旅ができた。
日本橋ヨヲコ先生は、早くから手描きとデジタル機器を使った作画を組み合わせていたため、全部が手描きの原画は貴重だ。単行本のカラーイラストと一緒に展示されていたのは、主要人物である堺田町蔵と長谷川鉄男の出会いを描いたシーン。「扉が開かれた」シーンを目の当たりにすることでタイトルの意味がやっとわかり、涙が出てきた。
どの話の原画を展示するかは、作品によって違っていた。多くはまるごと第1話などを展示していたが、1話読みきり型の作品では、作品を象徴するようなエピソードを展示しており、より作品に対する深い理解につながったと思う。
例えば『すみれファンファーレ』が取り上げたのは、主人公のすみれが離婚して遠くに暮らしている父親に会いに行くエピソード。『すみれファンファーレ』の作品の中でも、大人の姿がよく描かれている話でもある。担当編集のコメントにもあったように、同作品が単なる子どもの姿を描いた作品ではなく、同時に子どもの目から見た大人の姿も鋭く描いたものであることを象徴している。
同じく『金魚屋古書店』が取り上げたのは、主要キャラクターの一人が大型書店でアルバイトをする話。毎日多くの新刊が発売され新刊書店に並ぶ様子が「川」に例えられ、大型書店と中小書店の配本の違い、その中での古書店の意味など現在のマンガ出版・販売の現状を暖かい目で鋭く捉えたエピソードだと思う。原画展で並ぶ作品の中にはすでに新刊書店では手に入れるのが難しいものも少なくない。IKKI発の作品がどこに流れていくのか、どこで読者と出会うのかを思いながら読むと、感慨深いものがあった。
あらゆる画風・テーマを受け入れ
奇しくも展示は、松本大洋先生の『ナンバー吾』で始まり、同じく松本先生の『Sunny』で終わっていた。もちろん創刊時からいままで、ずっと「IKKI」が松本先生一色だったわけではない。
多くの主な連載作家の原画が並ぶことで見えてくるのは、絵柄の雰囲気や描くテーマのふれ幅の広さだ。同じ人間の顔が描かれたときでも、松本大洋と岩岡ヒサエ、さらには、『放課後のカリスマ』のスエカネクミコ各先生では、顔の形、目の表情、体の大きさとどれをとっても千差万別――こんな当たり前のことを、改めて実感させてくれた。
年表や単行本をみていると、原一雄先生の『のらみみ』、ビブオ先生の『シャンハイチャーリー』など「これもIKKIだったのか」と思う作品があった。あえて雑誌に色を付けず、様々な作風の漫画を受け入れ、才能をはぐくんできた器だったのだ。
トークイベントは24日午後に開催された。当日、開場前から待ちきれないファンが列をなした。秋田県大曲市など地元ファンだけでなく、夏休みを使って東京など遠方からきた人も多かったようだ。観光を兼ねてなのか、家族連れの人もいた。
IKKIは2000年11月、「週刊ビッグコミックスピリッツ」の増刊号として創刊された。「コミックは未だ黎明期である。」というスローガンをかかげ、新人発掘のほか、ベテラン勢のエッジの効いた短編を掲載した。
当時、多くのマンガ雑誌が「少年」「少女」「青年」「子ども」などターゲット読者を性別や年齢でカテゴライズしていたなか、徐々にその枠を取り払った雑誌が登場し、IKKIもそのひとつだった。そして2014年9月発売の11月号で14年間の歴史に幕を下ろす。
立ち上げから今まで編集長を務めたのが、江上英樹編集長。創刊の狙いを「社内のほかの編集部にいた若手編集者に自分が面白いと思う作品を作れる場所を提供したかった」と話した。
創刊時のIKKI編集部メンバーは、ほかの雑誌の編集部からのやりたいと手を上げた編集者たちだ。日本橋先生をIKKIの創刊メンバーに加えた編集者もその1人だった。
「G戦場ヘヴンズドア」誕生秘話
日本橋先生は2000~03年、「マンガ家マンガ」の名作のひとつ『G戦場ヘヴンズドア』を連載した。
――豊田 どのように声をかけられたのでしょうか
――日本橋 前作(『極東学園天国』)を読んだ編集さんから誘われて。前作が別の出版社で打ち切りになり、次だめならマンガ家をやめようと思っていました。次は別の出版社で描こうと思っていたところ、励ましてくれたのがその編集さんだったんです。作品を好きでいてくれた期間が長かったので、賭けてみようかなって
日本橋先生が連載にあたって選んだテーマは、マンガ家マンガ。結果として生まれた『G戦場ヘヴンズドア』は今でもこの作品を読んでマンガ家を目指す人がいるほどの不朽の名作。「これを読んでIKKIに持ち込みに来た若い人も多い」(豊田さん)。日本橋先生本人としても、ラストチャンスという意気込みとともに、創刊メンバーとして雑誌を支えるという意識も強かったそうだ。
――日本橋 『G戦場ヘヴンズドア』はアンケート結果もよく、読者に受け入れられたと思うと、安心して描けるようになりました。最初の成功体験をもらえたのが、IKKI。今『少女ファイト』が描けるのも『G戦場ヘヴンズドア』があったからです
オノ先生、短編から雑誌を支える連載執筆へ
オノ先生は、2005年からIKKIで短編作品を発表し始めた。
2006年満を持して『さらい屋五葉』の連載をスタート。読者にとってはこの作品で“オノ・ナツメ=時代物”とのイメージが強くなったかもしれない。だが実は当初“舞台は江戸時代か現代イタリア”かで迷ったという。担当編集者と相談のうえ、舞台を江戸に決めた。これについて、江上編集長はどう思ったのだろうか?
――豊田 当時としては、唐突に時代物が出てきましたが、どう思いましたか?
――江上 新しいほうがおもしろいじゃんという感じ。反対した覚えはなかったですね
この江上編集長の感覚が、最初から最後まで「IKKIっぽさ」を決めることになる。
江上英樹編集長という存在
「IKKIっぽさ」は、創刊からいままで編集長を務めてきた江上英樹編集長の感覚によるところが大きい。マンガ雑誌で10年以上同じ人が編集長を務めるというのは、少なくとも小学館内では珍しいことだという。マンガ家たちは、そんな江上編集長をどうみているのだろうか。
――日本橋 すごく勘がいいと思います。「絶対こうじゃなきゃ」というのがなくて、「いいじゃない」と言えるのは、すごいこと。インスピレーションで「いい」というのは大切なんですよね。
――江上 少し泣いていいですか(笑)
多くのマンガ家をひき付けたIKKIとは結局何だったのだろうか。それは、江上編集長の「いいじゃん」というフラットな姿勢で、数々の才能が発表される場を作ったことではないだろうか。
14年間のうち後半は、アニメになる作品も出てきた。オノ先生の『さらい屋五葉』もそのひとつ。「アニメ化→単行本が売れる」というのは雑誌にとって有効なマネタイズのひとつ。だが、IKKIを支えてきた編集部には、それだけでは不十分という意識があるようだ。
―江上 今「マネタイズ」を合い言葉に、(どのように収益を維持するかを)シビアに考え始めています。映像化されてもメリットがない場合もあるのに、そういう路線を目指しがち。雑誌から単行本、映像という展開を支えにして黒字化するのは難しくなってきています。出版社も編集部も変わらざるをえないです。
「大往生」と言ってもらえる雑誌、IKKI
IKKI編集部の豊田さんは休刊の理由について「ほかにIKKIっぽいライバルが増え、負けたのでは?」と指摘したが、日本橋先生はこれに反論した。
――日本橋 IKKIは大往生だと思ってて、むしろ好き勝手にやって、よくもったな、と。こんなに自由な雑誌はなくて、逆にちゃんとしないと、と思わされました。「これはやらない」とか自分でルールを設定しないといけなかったですね
休刊にあたり、IKKIは7月25日発売の9月号で、連載中の作品がそれぞれどうなるのかを明らかにした。一部作品は小学館の別の雑誌で連載が続き、加筆のうえ単行本が発売されるものも多い。単行本「IKKI COMIX」の発売も当面は続くという。
江上編集長はトークの最後、「IKKIがトリガーになって飛び出した何か。それは確実に存在します。それをもっと面白いものにむかわせるようにすることは約束したい」と話した。この言葉の通り、これからの各編集者に期待したい。
同人誌即売会「コミティア」での出張漫画編集部、編集長の1日書店店長就任――編集だけでなく販売でも様々な仕掛けをしてきた「月刊IKKI」編集部。トーク&サイン会とあわせ、その最後にふさわしい最初で最後の文化祭だった。
[取材・文=bookish(マンガナイト)]
▼今後IKKI関連企画
えすとえむ×青野春秋×江上英樹トークショー~それでも「コミックは未だ黎明期である」のか?~
http://www.kyotomm.jp/event/evt/ikki20140913.php
日時:2014年9月13日(土)午後1時~3時
会場:京都国際マンガミュージアム
「 IKKI TO THE NEXT STAGE!! 北九州編」
http://www.ktqmm.jp/kikaku_info/5609
日時:2014年9月6日(土)~9月28日(日)
会場:北九州市漫画ミュージアム
▼関連リンク
IKKI公式サイト http://www.ikki-para.com/
TIFF2014 庵野秀明監督記者会見!『第27回東京国際映画祭』
TIFF2014 庵野秀明監督記者会見!『第27回東京国際映画祭』MangaStyle.ch
10月23日(木)~31日(金)に開催される「第27回東京国際映画祭」にて、 特集上映『庵野秀明の世界』の開催が決定!
本日映画祭上映に先駆けて行われました庵野監督本人の記者会見会場の様子の一部をManga Styleも編集部がレポート!
「manga-style」 http://manga-style.jp/press/?p=16333
「あいこのまーちゃん」やまもとありさが赤裸々に語る漫画履歴書
今回の赤鮫が行く!!は、クラウドファンディングサイトFUNDIYにて「あいこのまーちゃん」プロジェクトを立ち上げられたやまもとありさ先生。連載開始2日前に中止の憂き目にあったという話題が先行しがちですが、漫画家としての力量は作品を見ると一目瞭然です。そんなやまもとありさ先生とは一体どんな人物なのか?漫画に目覚めた小学校時代から暗黒の中二病時代を経て、上京に至るまでを私がインタビューしてきました。それではどうぞ!
小学校の時はいっぱい連載持ってましたね(笑)
19歳でスキンヘッド、そして上京
あのコマ以上のインパクトも用意している!?
実際にお会いしたやまもとありさ先生はとてもユニークでカワイイ方でした。なおインタビュー中に登場した黒潮マンガ大賞準大賞作品の「鏡の国」や、ゼノンマンガオーディションの受賞作品「路上の唄」は今でもWebで読むことが出来ます。「あいこのまーちゃん」以外のやまもと先生作品にぜひ触れてみて下さい。
現在FUNDIYで「やまもとありさ『あいこのまーちゃん』 完成&電子書籍化を目指します!!」プロジェクト始動中!
【関連リンク】
・やまもとありさ twitter
クラスで酷いイジメに遭っていた中学3年生の藤沢彩菜は、ある決意をした…。
「クラスメイト全員に、私と同じ“地獄”の苦しみを味わわせてやる――――」
見え隠れするイジメの首謀者。黒幕は親友なのか、それとも……全員狩るまで終わらない――28人のクラスメイトへの命がけの復讐が始まった。